こんにちは。園芸の教科書運営者のめぐみです。
秋の気配を感じる頃、家庭菜園でぜひ挑戦していただきたいのが秋ジャガイモです。春のイメージが強いかもしれませんが、秋に栽培するとホクホク感が増して格別に美味しいイモが収穫できるんですよ。
ただ、いざ始めようとすると「植え付けの適切な時期は?」「品種はどう選ぶの?」といった疑問が湧いてきますよね。秋作では、デジマやニシユタカといった休眠の短い品種を選ぶことや、残暑によるタネイモの腐敗を防ぐ対策が非常に重要になってきます。
他にも、プランター栽培で失敗しないコツや、発芽後の芽かき・土寄せのタイミング、連作障害や病害虫から大切な野菜を守る方法など、収穫までに知っておきたいポイントはたくさんあります。
この記事では、そんなあなたの疑問や不安に寄り添い、秋のジャガイモ栽培を成功させるためのコツを分かりやすく解説していきます。読み終える頃には、きっと自信を持って畑やプランターに向かえるようになりますよ。
この記事でわかること
- 秋ジャガイモに適した品種の選び方と地域別の適切な植え付け時期
- 高温期の腐敗を防ぐタネイモの準備と連作障害を抑える土づくりのコツ
- マルチ栽培やプランターでの育て方と日々の水やり・病害虫対策の方法
- 収穫量を増やす芽かきや土寄せのタイミングと美味しいイモの保存方法
秋ジャガイモの植え付けの基本と準備について

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秋のジャガイモ栽培は厳しい残暑の中でスタートするため、春植えとは全く異なる知識と準備が必要です。特に重要なのは秋向けの品種選びと初霜から逆算した植え付け時期、そして腐敗を防ぐタネイモの準備です。
なお、秋ジャガイモの成功率は最初の芽出しで8割決まります。まだ準備を終えていない方や不安がある方は、まず以下の記事をチェックしてくださいね。(秋ジャガイモ芽出し方法のコツ!失敗しない切る・切らないの判断)
ここからは、初心者がつまずきやすい秋植えの品種選びや、地域ごとの最適なスケジュール、失敗しない土づくりについて分かりやすく解説していきます。
休眠が短い秋作向け品種の選び方は?
秋にジャガイモを育てる時、一番やってしまいがちな失敗が、春にスーパーで売っているような男爵薯やメークインを植えてしまうことです。実はジャガイモには、収穫した後に一定期間芽を出さない休眠期間というお休みモードが組み込まれています。
春作の定番である男爵やメークインは、この休眠期間が100日以上ととても長いため、秋の植え付け時期(8月下旬〜9月)に土に植えても、まだお休み中で芽を出してくれません。そのまま土の中で腐ってしまうことも多いんです。
だからこそ、秋の栽培には休眠期間が短い専用の品種や兼用品種を選ぶことが絶対条件になります。

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おすすめの秋作向け品種リスト
それでは、具体的にどんな品種があるのか見ていきましょう。今の秋作栽培でよく使われているのは、次のような品種です。それぞれ特徴があるので、どんな料理に使いたいかで選ぶのも楽しいですよ。
| 品種名 | 休眠期間 | 特徴とおすすめの食べ方 |
|---|---|---|
| デジマ | 短い | 秋作の代表選手!皮がとても薄くてホクホク。煮崩れしにくいので、肉じゃがなどの煮物からコロッケなどの揚げ物まで万能に使えますよ。 |
| ニシユタカ | 短い | デジマの改良品種で、さらに粘り気があり煮崩れしにくいのが特徴です。初期の育ちが良く、たくさん収穫しやすいのも嬉しいポイント。シチューやカレーにぴったりです。 |
| アンデスレッド | 短い(約60日) | サツマイモのような赤い皮と黄色い中身が特徴的。甘みが強くてホクホク感が抜群です。休眠がとても浅いのですぐに芽が出ます。ポテトサラダにすると美味しいですよ。 |
| ながさき黄金 | 短い | インカのめざめの系統で、中が鮮やかな黄色。カロテノイドが豊富で病気にも強い画期的な品種です。フライドポテトにすると最高に美味しいです。 |
| アイマサリ | 短い(約60〜70日) | 大玉でたくさん収穫できる期待の新品種。少し粘り気があり、変色しにくいので、色が綺麗ななめらかポテトサラダを作りたい方にイチオシです。 |
| キタアカリ | やや短い(約80日) | 栗ジャガと呼ばれるほど甘くてホクホク。春向けですが休眠が浅めなので秋作も可能です。ただ、煮崩れしやすいので電子レンジ調理やマッシュポテトにおすすめかも。 |
最近は、病気に強くて育てやすいながさき黄金やアイマサリの人気が急上昇しています。
特にアイマサリは長崎県が育成した期待の新品種で、従来品種よりも大玉でたくさん収穫でき、食味も優れていることが実証されているんですよ(出典:長崎県農林技術開発センター『ばれいしょ新品種アイマサリの栽培マニュアル』)。
ホームセンターや園芸店でタネイモを見かけたら、ぜひ挑戦してみてくださいね。秋作のタネイモは販売期間が短いことが多いので、夏になったら早めに予約しておくのが安心かなと思います。
ポイント
地域で異なる適切な植え付け時期とは?
品種が決まったら、次はいつ植えるかですね。実は、秋ジャガイモの植え付け時期は、カレンダーの日付だけで決めるわけではありません。一番大切なのは、お住まいの地域で初霜が降りる日から逆算することなんです。
ジャガイモの葉っぱや茎は、寒さにとても弱いです。霜に当たってしまうと、葉の細胞が凍って一晩で枯れてしまいます。葉が枯れてしまうと光合成ができなくなり、土の中のイモはそれ以上大きくなりません。ですから、植え付けてから収穫するまでの約90〜100日間を、霜が降りない期間にすっぽり収めるような緻密なスケジュール管理が必要なんですよ。
気候区分別の植え付けスケジュールの目安
日本全国、地域によって気候は様々ですよね。大まかな気候区分ごとの目安は以下のようになります。
- 寒冷地(北海道・東北地方・高冷地):秋の訪れが早いため、残念ながら生育に必要な期間と温度を確保しにくく、原則として秋作にはあまり向いていません。一部の地域で8月下旬に植えることもありますが、遅霜のリスクが高くなります。
- 一般地(関東以西の温暖地・内陸部):以前は8月下旬〜9月上旬が適期と言われていました。でも、最近は地球温暖化の影響で残暑が厳しく、9月に入っても猛暑日が続くことがありますよね。暑い時期に植えるとタネイモが土の中で茹で上がって腐ってしまうため、気候が少し落ち着く9月上旬〜中旬にずらして植え付ける方が増えていますし、私もそうしています。
- 暖地(太平洋沿岸部・四国・九州):霜が降りるのが遅いため、9月上旬〜9月下旬が植え付けのベストタイミングです。九州南部の特に暖かい地域では、収穫を年明けまで遅らせて、イモをじっくり甘く育てる方法もあるんですよ。
局所的な気候(微気象)と畑の環境にも注意
地域ごとの植え付けカレンダーはあくまで目安です。例えば東京都内でも、ビルが立ち並ぶ都心部と、自然豊かな八王子や青梅などのエリアとでは、秋の冷え込み方が全然違いますよね。
同じ市内や区内であっても、冷気が溜まりやすい窪地にある畑と、風通しの良い高台にある畑など、局地的な気候(微気象)によって、平均的な初霜の日よりずっと早く霜が降りる場所もあるんです。
もし植え付けを遅らせすぎて、収穫前に強い霜が降りて土の表面まで凍結してしまうと、土の中のジャガイモまで凍結障害を起こして腐ってしまいます。だからこそ、カレンダーや天気予報だけでなく、ご自身の畑の局所的な環境もしっかりチェックして、初霜から逆算してスケジュールを立てることが大切かなと思います。
注意ポイント

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そうか病を防ぐ土づくりと元肥
美味しいジャガイモをたくさん収穫するためには、土の中の環境づくりが欠かせません。でも、ジャガイモの土づくりには、他の野菜とはちょっと違う特別なルールがあるんです。
石灰は極力控えて!弱酸性の土が大好き
家庭菜園でトマトやキャベツを育てる時、植え付ける前に苦土石灰をまいて土の酸度を調整(中和)しますよね。ジャガイモの場合はこれをやってはいけません!ジャガイモはやや強い酸性(pH5.0〜6.0くらい)の土を好むんです。
実際の研究でも、土壌のpHを低く管理することでそうか病の発生リスクを抑えられることが分かっています(出典:鹿児島県農業開発総合センター『ジャガイモそうか病対策のための土壌酸度管理における土壌pH(KCl)指標』)。
もし石灰をまきすぎて土がアルカリ性に傾いてしまうと、土の中にいる放線菌という菌の活動が活発になり、ジャガイモの表面にカサブタのような醜い斑点ができるそうか病という病気にかかりやすくなってしまいます。そうか病になっても食べることはできますが、皮を厚く剥かないといけませんし、何より見た目が悪くてがっかりしてしまいますよね。
ですので、前に植えていた野菜の時に石灰をまいた畑なら、今回は一切石灰をまかなくて大丈夫です。土壌診断をして極端に酸性が強い場合(pH5.0未満)だけ、ほんの少しの石灰をパラパラとまく程度にとどめておきましょう。
連作障害を防ぐためのルール
ジャガイモはナス科の植物です。トマト、ナス、ピーマンなどと同じ仲間ですね。これらの野菜を同じ場所で続けて育てると、土の中の特定の病原菌や害虫(線虫など)が増えてしまい、連作障害を起こしやすくなります。
これを防ぐためには、一度ナス科の野菜を育てた場所は、できれば3〜4年(最低でも2〜3年)は違う科の野菜(マメ科やイネ科など)を育てる輪作を心がけてくださいね。
肥料はバランス良く、未熟な堆肥はNG
元肥(最初に土に混ぜる肥料)のポイントは、窒素分を多すぎないようにすることです。窒素が多すぎると、葉っぱや茎ばかりが茂って立派に見えるつるぼけ(木ぼけ)という状態になり、肝心の土の中のイモに栄養がいかなくなってしまいます。
一般的な化成肥料(窒素・リン酸・カリが8-8-8のバランスのもの)を適量与えるのがおすすめですよ。特にリン酸とカリウムはイモを大きくしたり甘くしたりするのに大切です。肥料の選び方や与え方についてもっと詳しく知りたい方は、ジャガイモ栽培肥料の選び方の記事もあわせてご覧になってみてくださいね。
また、土をふかふかにするために堆肥を入れるのは良いことですが、必ず完熟した牛ふん堆肥などを使いましょう。生の鶏糞や未熟な牛ふんを入れると、土の中で発酵してアンモニアガスが発生し、タネイモを腐らせてしまう危険があるので絶対に避けてくださいね。
腐敗を防ぐタネイモの準備と工夫

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秋のジャガイモ栽培において、一番悲しい失敗が芽が出ない…というトラブルです。あとから土を掘り返してみると、タネイモがドロドロに溶けて腐っていた、なんて経験がある方もいるかもしれません。その最大の原因は、夏の残暑による高温と、切り口からの細菌感染です。
タネイモは切らずに丸ごと植えるのが大原則!
秋作では地温がまだ高く、土の中の腐敗菌がとても元気な時期なんです。タネイモを切って植えると、その傷口(断面)からあっという間に細菌が入り込み、腐ってしまいます。
ですから、秋作ではSサイズ(20g〜60gくらい)の小玉のタネイモを買い、一切切らずに丸ごと植えるのが、最も確実で安全な方法なんですよ。
どうしても切る場合は芽出し記事をチェック
とはいえ、お店に行ったら大きなタネイモしか売っていなかった、ということもありますよね。種イモを切る必要がある場合、断面からの腐敗を防ぐために事前の消毒や乾燥(キュアリング)が必須です。この処理方法や、初期の生育を助ける浴光催芽(よくこうさいが)の詳細は、芽出しの徹底解説記事で詳しく手順を載せていますので、必ず事前にチェックしてくださいね。
マルチ栽培やプランターの活用法
畑の畝(うね)に直接植えるのが基本ですが、最近は作業を楽にしたり、スペースを有効活用したりするために、黒マルチを使ったり、プランターで育てたりする方も増えていますよね。
黒マルチ栽培のメリットと注意点
土の上に黒いビニールシート(黒マルチ)を張る栽培方法は、除草の手間が省けるだけでなく、イモが日光に当たって緑色になるのを防いでくれるため、途中の面倒な土寄せという作業を省略できるのが最大の魅力です。さらに、雨の跳ね返りによる病気(疫病など)の予防にもなります。
ただし、秋作でマルチを使う場合は温度管理に細心の注意が必要です!残暑が厳しい時期に黒マルチを張ると、太陽の熱を吸収してマルチの中の温度が異常に上がり、タネイモが蒸し焼き状態になって枯死してしまうことがあります。
これを防ぐためには、マルチに空気穴を開けたり、気温が落ち着く10月頃になってからマルチを張るなど、臨機応変な対応が必要かなと思います。
話題の逆さ植え(ストレッサー栽培)ってどうなの?
最近、家庭菜園の雑誌や動画などで逆さ植えという方法をよく目にしませんか?これは、普通なら芽が多い方を上にして植えるところを、あえて芽を下向き、または切り口を上向きにして植える少し変わった方法です。
芽が下を向いていると、地上に出るためにUターンして伸びなければならず、大変なストレスがかかります。その結果、弱い芽は途中で力尽き、一番強くて太い芽だけが生き残って地上に出てくるんです。つまり、人間が後で芽かきをする手間が省け、しかもがっしりした強い株に育つという面白い仕組みなんですよ。
ただ、秋作でタネイモを切って逆さ植えにするのは少しリスクがあります。
上を向いた平らな切り口に雨水が溜まりやすく、そこから腐敗が進みやすいからです。もし秋に逆さ植えを試すなら、切っていない小玉のタネイモのへそを上にして植えるなど、腐敗対策をしっかり行ってくださいね。
ベランダでもできる!プランターや袋栽培のコツ
お庭がなくても、ベランダのプランターや大きめの麻袋、肥料袋などを使ってジャガイモを育てることは十分に可能です。ジャガイモは土の中で立体的に育つので、深さ30cm以上、直径40cm以上の大きめのコンテナを用意しましょう(30Lの土に対してタネイモ2個が限界の目安です)。
プランター栽培で失敗しない最大のコツは、増し土(ましづち)です。
畑と違って、プランターは周りから土を削って寄せてくることができません。そこで、最初はプランターの半分くらいの深さまでしか土を入れずに浅く植え付けます。開けて芽が伸びて成長してきたら、上から新しい培養土を足していくんです。
こうすることで、茎が倒れるのを防ぎ、イモが育つふかふかのベッドを段階的に作ってあげることができます。
また、ベランダのコンクリートは照り返しでとても熱くなります。プランターはレンガやすのこの上に置いて風通しを良くし、エアコンの室外機の風が絶対に当たらない場所に置いてあげてくださいね。
秋ジャガイモの植え付け後の管理と収穫について

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タネイモを植え付け、可愛い芽が顔を出したらいよいよ本格的なお世話のスタートです。発芽後のひと手間が、最終的な収穫量やイモのサイズを大きく左右します。
具体的には、栄養を集中させる芽かきや、イモの緑化を防ぐ土寄せ、適切な追肥が重要です。また、台風や秋雨による過湿、病害虫への防除対策も欠かせません。
ここでは、生育ステージに合わせた重要なお手入れ方法から、美味しい状態を見極める収穫のサイン、そして長く楽しむための正しい保存方法まで、栽培後半の管理手順を詳しくご紹介します。

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芽かきと土寄せの適切なタイミング
ジャガイモが発芽してしばらくすると、1つのタネイモから5〜6本の芽がワサワサと生えてきます。これをそのまま全部育ててしまうとどうなると思いますか?実は、葉っぱで作られた栄養がたくさんのイモに分散してしまい、ピンポン玉のような小さなイモしか採れなくなってしまうんです。
シンク・ソース・バランスを整える芽かき
スーパーで売っているような立派なサイズのイモを収穫するためには、発芽から2〜3週間後、芽の長さが10〜15cmくらいになったタイミングで芽かきを行います。
太くて勢いのある元気な芽を1〜2本(多くても3本まで)だけ残し、細くて弱々しい芽は根元から引き抜いてしまいます。これが芽かきです。引き抜く時は、残す芽の根元を片手でしっかりと押さえ、タネイモごと土から引っこ抜けないように注意しながら、抜きたい芽を横に倒すようにしてスッと引き抜くのがコツですよ。
イモのベッドを作り、緑化を防ぐ土寄せ
芽かきと同じくらい、いや、それ以上に重要なのが土寄せです。
ジャガイモのイモは、実は根っこが太ったものではなく、土の中の茎(ストロンと呼ばれる地下茎)の先が膨らんだものなんです。このストロンは、タネイモよりも上の方の茎から横に向かって伸びていきます。
つまり、株の根元に土を盛ってあげないと、新しくできたイモがすぐに土の表面に飛び出してしまうんです。イモが太陽の光を浴びると、皮が緑色に変色し、ソラニンやチャコニンという有毒な成分が作られてしまい、食べられなくなってしまいます。
土寄せのタイミングは主に2回です。
- 1回目:芽かきをした直後。株元に5cm〜10cmほどの土を寄せます。
- 2回目:蕾(つぼみ)がつき始めた頃(草丈が20〜30cmになった頃)。さらに土を高く盛り上げ、最終的にカマボコ型のふっくらした畝を作ります。
土寄せをすることで、イモが育つスペースができるだけでなく、雑草を防いだり、大きく育った茎が強風で倒れるのを防ぐ役割もあるんですよ。
追肥の回数と与える時期の目安は?
ジャガイモは元肥だけでも育ちますが、タイミングよく追肥(追加の肥料)を与えることで、イモのサイズが大きくなり、ホクホクとした食感の美味しいジャガイモに育ちます。
追肥は土寄せとセットで行うのが黄金則
追肥のタイミングは、先ほど説明した土寄せの1回目と2回目と全く同じタイミングで行うのが一番効率的で効果的です。
土を株元に寄せる直前に、株と株の間や畝の肩の部分に、速効性の化成肥料をパラパラとまきます(1株あたり一握りの約10gが目安です)。そして、その肥料を巻き込むようにして土寄せを行うと、肥料が土とよく混ざり、根に直接触れて肥料焼けを起こす心配もなくなります。
肥料の成分にも少しこだわってみて
ジャガイモは、成長の後半(花が咲く頃以降)に、葉で作ったデンプンを地下のイモに一気に送り込みます。この時、カリウム(K)という成分をたくさん吸わせることで、良質なデンプンが作られ、あのホクホクとしたたまらない甘みが引き出されるんです。開けて
注意してほしいのは、花が咲き終わった後に遅れて窒素(N)成分が効いてしまうと、いつまでも葉っぱばかりが元気になり、イモが大きくならなかったり、収穫後のイモが腐りやすくなったりしてしまうことです。ですから、追肥は遅くとも蕾がつく頃(2回目の土寄せの時)までに終わらせ、肥料のやりすぎには十分に気をつけてくださいね。
ポイント

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過湿を防ぐ水やりと病害虫の対策は?
ジャガイモの原産地は、南米アンデス山脈の乾燥した涼しい高地です。そのため、ジャガイモは乾燥には比較的強い反面、ジメジメとした過湿を極端に嫌う性質を持っています。
水やりはやらないのが基本!?
畑などの露地栽培の場合、植え付けた直後から収穫まで、基本的には水やりは一切不要だと思っていただいて大丈夫です。タネイモ自体が約80%の水分を持っているため、その水分だけで十分に発芽できるんです。
良かれと思って毎日お水をあげてしまうと、土の中の空気が水に押し出されて根が呼吸できなくなり、根腐れを起こしたり、軟腐病などの土壌病害を引き起こしてイモが全滅してしまう恐れがあります。
どうしても水やりが必要なのは、雨が全く降らない日が1週間以上続き、朝になっても葉っぱがぐったりと萎れているような、極限の乾燥状態の時だけです。
プランター栽培の場合は土が乾きやすいので、土の表面だけでなく、少し掘ってみて中までしっかり乾いているのを確認してから、たっぷりと水をあげるようにしてください。
秋作で気をつけたい病気と害虫
秋の栽培は、夏の終わりの害虫から、秋雨シーズンの病気まで、様々なトラブルの種が潜んでいます。早期発見と予防が大切です。
- 疫病:秋雨前線や台風で雨が続くと、あっという間に葉に黒褐色の斑点が広がり、畑全体が枯れてしまう恐ろしい病気です。密植を避けて風通しを良くし、窒素肥料のやりすぎに注意しましょう。雨の時期に保護殺菌剤を予防的に散布するのも一つの手です。
- 青枯病:残暑が厳しい時期に発生しやすい病気で、青々とした元気な状態のまま、ある日突然株がしおれて枯れてしまいます。発病したら治らないので、病気の株は根っこ周りの土ごとすぐに畑の外に持ち出して処分してください。
- アブラムシ類:新芽に群がって汁を吸うだけでなく、ジャガイモに致命的なウイルス病をうつす厄介者です。見つけたら粘着テープでペタペタと取るか、光を反射する銀色テープを張って寄ってこないように工夫してみましょう。
- テントウムシダマシ:益虫のテントウムシに似ていますが、背中の星が28個と多く、葉っぱを網目状に食べてしまう害虫です。見つけ次第こまめに捕殺するのが一番の対策です。
※農薬や殺菌剤を使用する場合は、必ずラベルに記載された適用作物や使用回数などの基準を守り、正しく安全に使用してくださいね。
収穫の目安となる時期と保存方法は?

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厳しい気象条件や病害虫を乗り越え、いよいよ待ちに待った収穫の季節です!秋ジャガイモの収穫は、地域にもよりますがだいたい11月下旬〜12月にかけて行います。
収穫のベストタイミングと晴れの日の鉄則
ジャガイモの収穫のサインは、地上部の茎や葉が完全に黄色く変色し、枯れ上がってきた時です。
葉が少し黄色くなり始めたからといって慌てて掘り起こすのはもったいないですよ!葉が枯れかけていても、土の中では光合成で作られた栄養が最後の最後までイモに送られ続けています。未熟なうちに早掘りしてしまうと、小さくて味も乗っていないジャガイモになってしまいます。
ただし、気温が氷点下になり、土の表面がカチコチに凍るような本格的な霜が降りる前には、必ず全てのイモを掘り上げてくださいね。土の中でイモが凍ってしまうと、解けた後にブヨブヨになって腐ってしまいます。
そして、収穫作業は絶対に晴天が2〜3日続いて、土がサラサラに乾いている日に行ってください。土が濡れた泥んこの状態で掘り上げると、イモの呼吸の穴が泥で塞がれてしまい、保存している間に腐る確率が跳ね上がってしまいます。
掘る時は、イモを傷つけないように株元から20cmくらい離れたところにスコップやフォークを深く刺し、テコの原理で土ごと優しく持ち上げましょう。イモをコンテナに乱暴に投げ入れたりすると、内部で打撲を起こして黒く変色したり腐ったりするので、卵を扱うように優しく扱ってくださいね。
キュアリング処理で長く美味しく保存する
掘り上げたジャガイモは、水洗いせずに表面の土を手で軽く払うだけにします(水で洗うとそこから菌が入りやすくなります)。そして、風通しの良い日陰で1〜2日間、表面をしっかりと乾かします。
さらに長持ちさせたい場合は、キュアリングという作業を行います。乾燥させた後、10〜15℃くらいの少し涼しくて暗い場所に1〜2週間置いておきます。すると、収穫の時にできてしまった小さな擦り傷などにコルク状のフタ(かさぶた)ができ、そこから菌が入るのを防いでくれるんです。
キュアリングが終わったら、傷ついたイモや緑色になったイモを取り除き、綺麗なイモだけを新聞紙に包むか紙袋に入れ、段ボール箱などに入れて冷暗所(5℃前後が理想)で保存します。
秋ジャガイモは収穫後に寒い冬を迎えるため、春ジャガイモよりも長く保存できるのが嬉しいところです。低温でじっくり保存すると、デンプンが糖に変わってさらに甘みが増して美味しくなりますよ!
秋ジャガイモの植え付けについての総括

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いかがでしたでしょうか。秋のジャガイモ栽培は、春とは違った気候との戦いでもあります。まだ暑い時期にいかにタネイモを腐らせずに発芽させるか、 そして本格的な寒さが来る前にいかにイモを大きく育てるかという、少しシビアなタイムレースのような側面があります。
でも、今回ご紹介した以下のポイントをしっかり押さえておけば、きっと大成功するはずです。
今回のポイント
- お住まいの気候に合わせ、猛暑を避けた9月上旬〜中旬のベストなタイミングで植える
- 秋作に向いている、休眠の短い品種(デジマやニシユタカなど)を選ぶ
- 石灰を控えて土壌を弱酸性に保ち、そうか病を防ぐ
- タネイモは切らずに小玉をそのまま植えて腐敗を防ぐ
- 発芽後の芽かき、そして2回にわたる土寄せと追肥でイモの成長をサポートする
一つひとつの作業には、植物のメカニズムに基づいたなぜそうするのかというちゃんとした理由があるんですね。それを知っているだけで、畑に向かうのがもっと楽しくなると思います。
秋ならではのホクホクで甘みの強いジャガイモを収穫して、シチューやコロッケ、じゃがバターなど、冬の食卓を美味しく彩ってくださいね。
※今回ご紹介した植え付け時期や農薬の使用、土壌酸度などの数値データは、あくまで一般的な目安です。その年の気象条件や地域の特性によって状況は変化します。病害虫対策などで農薬等を使用される場合は、必ずご自身で製品の公式サイト等で最新の適用条件をご確認いただくか、お近くの園芸店や専門家にご相談の上、自己責任でご判断をお願いいたします。
これからも、あなたの楽しい園芸ライフを応援しています!