こんにちは。園芸の教科書運営者のめぐみです。
家庭菜園で大人気の野菜といえばキュウリですが、立派な支柱やネットを立てるのが少し手間に感じてしまうことってありませんか。
そんな時に注目したいのが、地面に直接つるを這わせて育てる地這い栽培です。
でも、いざ始めようと思って地這いキュウリの育て方について調べてみると、プランターでも上手に育てられるのかどうかや、種まきのベストな時期はいつなのかなど、色々な疑問が湧いてくるかなと思います。
私も最初は、地面を這わせるだけで本当に美味しいキュウリがたくさん採れるのかなと少し不安に思ったものです。
そこで今回は、野菜作りに興味がある皆さんが安心して挑戦できるように、土作りの基礎から日々の管理方法まで、私が学んできたことを分かりやすくまとめてみました。この記事を最後まで読んでいただければ、秋まで長く美味しいキュウリを収穫し続けるためのコツがしっかりと掴めるはずですよ。
ぜひ参考にして、自然の力を借りた丈夫で元気なキュウリ栽培を楽しんでみてくださいね。
この記事のポイント
- 支柱を使わない地這い栽培ならではのメリットと注意点
- 季節に合わせた種まきの時期やプランター栽培のコツ
- たくさん収穫するための摘心のやり方と水やりのタイミング
- 病気や害虫を防いで健康に育てるための具体的な対策
失敗しない地這いキュウリの育て方の基本と準備

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地這いキュウリの栽培を成功させるためには、まず最初に、なぜ地面を這わせるのかという根本的な仕組みを知っておくことが大切かなと思います。
普段よく見かける支柱を使った立体的な栽培とは、株への負担の掛かり方や、周りの環境からの影響の受け方が大きく違うんですよね。
植物が本来持っている自然な姿に近い形で育てることで、実は猛暑や強風などの厳しい天候にも強くなるという嬉しいメリットがたくさんあるんですよ。
この見出しでは、地這い栽培ならではの魅力や、季節に合わせた栽培スケジュールの立て方、そして限られたスペースであるプランターでの工夫など、実際に土をいじり始める前に知っておきたい基本のステップについて詳しく解説していきますね。
事前の準備と計画をしっかりと立てることで、その後の生育がぐんとスムーズになるはずですよ。
地這いキュウリの育て方で知っておきたい支柱栽培との違いとは?
キュウリといえば、背の高い支柱やネットにツルを巻き付けて育てる立体栽培(立ち作り)をイメージする方が多いですよね。現代の農家さんや家庭菜園でも、この方法がすっかり主流になっています。
でも、キュウリの原産地であるヒマラヤの山麓などで自生していた野生のキュウリは、もともと地面を這うようにして育つ植物なんです。つまり、地這い栽培はキュウリ本来の自然な姿に最も近い育て方と言えるんですよ。
では、具体的に支柱栽培と地這い栽培では何が違うのか、一緒に見ていきましょう。
まず一番の違いは空間の使い方です。支柱栽培は上に伸びていくので、狭いスペースでもたくさんの株を植えられますよね。対して地這い栽培は、地面に放射状にツルを広げていくので、1株あたり大体2メートル四方くらいの広々としたスペースが必要になります。場所は取りますが、その分、太陽の光を地面いっぱいに受け止めることができるんです。
そして、天候への強さも大きなポイントかなと思います。
支柱栽培だと、夏の台風や強風が吹いたときに支柱ごと倒れてしまったり、風で葉っぱ同士が擦れて傷がつき、そこから病原菌が入ってしまうリスクがあります。でも地這い栽培なら、茎や葉が地面にペタッと密着しているので、強風にあおられる心配がほとんどありません。台風対策としては、これ以上ないくらい安心な形なんですよ。
さらに温度の感じ方も違ってきます。
葉っぱが地面をふんわりと覆い尽くすことで、土の水分が急激に蒸発するのを防いでくれます。それに加えて、地面の熱を保つ保温効果も働くので、秋以降に少し寒くなってきても、霜の被害を遅らせることができるんです。空中にむき出しになっている支柱栽培と比べると、急な冷え込みの影響を受けにくいのは嬉しいメリットですよね。
株の寿命、つまりどれくらい長く収穫できるかという点でも違いがあります。
ツル全体が地面に接していると、節々のところから新しい根っこ(不定根)が生えやすくなるんです。水を吸い上げる口がたくさん増えるようなものなので、株全体が疲れにくく、長生きしてくれます。成り疲れという、途中でバテてしまう現象が起こりにくいんですよ。
注意ポイント
でも、見た目は少し不格好でも、株への負担が少なくて長期間美味しい実を収穫し続けられる地這い栽培は、お家で食べる分を育てる家庭菜園にはぴったりの方法だと思いますよ。

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種まき時期や秋の収穫に向けたカレンダー
キュウリはとてもデリケートなお野菜で、寒すぎても暑すぎてもうまく育ちません。農林水産省の資料(出典:農林水産省『第1節 きゅうり』)にもあるように、成長するのに適した温度は昼間が25℃〜32℃、夜間が14℃〜16℃ほどと、ストライクゾーンが狭いのが特徴です。
このストライクゾーンが狭い温度に合わせるために、種をまく時期や苗を植え付ける時期の見極めがとっても重要になってきます。
大きく分けると、春にまいて夏に収穫するパターンと、夏にまいて秋に収穫するパターンの2つがあります。
春まき(一般露地・夏収穫)
暖かい地域や平地では、だいたい4月から5月の上旬に種をまきます。でも、この時期の外の土はまだキュウリにとっては冷たすぎるんですよね。
だから、お家の中や温室など、しっかり25℃〜30℃をキープできる環境で種をまいて、大事に苗を育てる(育苗する)必要があります。外に植え付けるのは、晩霜(遅く降る霜)の心配が完全に無くなってから。だいたい5月中旬から6月中旬くらいが目安です。最低気温が10℃以上、土の温度が15℃以上で安定していることが絶対条件ですよ。
夏まき(抑制栽培・秋収穫)
そして、地這い栽培の強みが最も活きるのが、この夏まきの作型です。
6月中旬から7月中旬にかけて種をまいて、8月から10月にかけて秋のキュウリを収穫します。春に植えたキュウリが夏の暑さでバテてくる頃に、バトンタッチするように収穫を始められるので、長くキュウリを楽しみたい方にはすごくおすすめです。
この時期はもう外の土も十分に温まっているので、ポットで苗を作らなくても、畑の土に直接種をまく直播き(じかまき)ができるのが嬉しいポイントです。
ポットから畑に植え替える時って、どうしても見えない細い根っこが切れてしまって、苗にストレス(植え傷み)がかかってしまうんですよね。でも直播きならそのストレスがゼロ!太い根っこ(直根)が最初から地中深〜くに向かって真っ直ぐ伸びていくので、真夏の厳しい乾燥にも負けない、とても強い株に育ってくれるんです。
ポイント

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プランターを使った地這いキュウリの育て方のコツは?
お庭がなくてベランダしかないけど、地這いキュウリを育ててみたい!という方もいらっしゃいますよね。
結論から言うと、プランターでも工夫次第で十分に楽しむことができます。ただ、畑の環境を人工的に再現してあげる必要があるので、いくつか押さえておきたいコツがあるんです。
まず一番大切なのが、プランターのサイズ選びです。
キュウリの根っこは、浅いところに広く張っていく性質があります。なので、深さが最低でも30cm以上あって、土がたっぷり15リットル〜20リットル以上入るような大型のプランターを選んでくださいね。
もし小さいプランターや少ない土で育てようとすると、真夏の強い日差しを浴びた時に、プランターの中の温度が信じられないくらい上がってしまうんです。そうすると、あっという間に水分が干からびて、熱ストレスで根っこがダメになって枯れてしまいます。大きなお家(プランター)を用意してあげるのが大前提ですよ。
次に土の配合です。
キュウリは水が大好きなんですが、水浸しの過湿状態はもっと嫌いという、少しわがままなところがあります。なので、水はけ(排水性)と水もち(保水性)のバランスがとても重要になります。市販されている野菜用の培養土を使えば間違いありませんが、もし自分でブレンドするなら、赤玉土を6、完熟堆肥を2、腐葉土を1、バーミキュライトを1くらいの割合で混ぜ合わせるのがおすすめかなと思います。
そして、ベランダのような狭い空間だと、地面にツルを這わせる広さがないですよね。
そこでちょっとした応用テクニックの出番です。地這い用の品種であっても、支柱を交差させて組んだり、ネットを張ったりして、そこへツルを誘引してあげる立体栽培風のアレンジをします。品種本来の特性とは少しずれますが、プランター栽培ではこの方法が現実的ですね。
メモ
ベランダは風が強く吹き抜けやすいので、植え付けた直後のまだひ弱な時期は、風除けの対策も忘れずにしてあげてくださいね。

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失敗を防ぐ土作りと畝立てのポイントとは?

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美味しいキュウリがたくさん採れるかどうかは、土作りの段階で8割決まると言っても過言ではありません。キュウリの根っこは本当にデリケートで、酸素をものすごく必要とするという特徴があります。
地表近くに浅く広く根を張る(浅根性といいます)ので、土がカチカチで息ができないような環境だと、すぐに弱ってしまうんです。だから、通気性、水はけ、そして適度な水もちの良さ、この3つのバランスが揃ったふかふかの土を作ってあげることが何より大切になります。
土の酸度調整と肥料の準備
苗を植える、あるいは種をまく2週間以上前には、土の酸っぱさ(酸度・pH)を調整する作業から始めます。
キュウリはpH6.0〜6.5くらいの、弱酸性から中性の土が大好きです。日本の土は雨の影響で酸性に傾きがちなので、1平方メートルあたり100g〜150gくらいの苦土石灰(くどせっかい)を畑全体にまいて、土としっかり混ぜ合わせておきます。もし手に入るなら、カキの殻から作られた有機質石灰を使うと、土の酸度が急激に変わらず、土の中の微生物にも優しいのでおすすめですよ。
そして定植の1週間前になったら、土をふかふかにする(団粒構造を作る)ために、完熟した堆肥を1平方メートルあたり約2kg、元肥として化成肥料(8-8-8などバランスの良いもの)を150g〜200gくらいまいて、深く耕します。
ここで絶対に気をつけてほしいのが、未熟な堆肥は絶対に使わないということです。完全に発酵していない堆肥を土に混ぜると、土の中で発酵が始まって熱が出てしまい、デリケートなキュウリの赤ちゃんの根っこを火傷させてしまいます。それに、虫を引き寄せる原因にもなるので要注意ですよ。
高畝(たかうね)と鞍築(くらつき)
根っこに新鮮な酸素を届けるために、水はけの悪い畑では特に、土を高く盛った高畝を作ることが必須です。畝を高くすることで、余分な水がスッと抜けて、土の中に空気の通り道ができるんです。
地這い栽培の場合、1列で植えるなら畝の幅は60cm〜90cm、株と株の間(株間)は50cm〜90cmくらいと広めに取ります。2列で植えるなら畝幅を120cmくらいにして、株同士が交差するように植え付けていきます。
さらに、種を直接畑にまく場合は、昔から日本に伝わる鞍築(くらつき)という素晴らしいテクニックがあるんです。
| 鞍築(くらつき)の作り方ステップ |
|---|
| 1. 種をまく予定の場所に、直径・深さともに30cmくらいの穴を掘る。 |
| 2. 穴の底に、完熟堆肥や発酵油かすなどの元肥を入れる。 |
| 3. その上に掘り出した土を戻して、周りより少し高くなるようにマウンド状(馬の鞍のような形)にふんわり盛る。 |
こうやって少し高く盛り上げることで、キュウリの直根が下の方にある肥料に直接触れて肥料焼けを起こすのを防ぎつつ、水はけを良くして、太陽の熱も集めやすくなるんです。初期の成長スピードがびっくりするくらい変わってくるので、ぜひ試してみてくださいね。
病気を防ぐコンパニオンプランツの活用法
キュウリと同じウリ科の野菜(カボチャやスイカなど)を、同じ場所で何年も続けて育てると、連作障害というトラブルが起きやすくなります。特につる割れ病といった、土の中に潜む病原菌による病気は致命的で、最悪の場合株がまるごと枯れてしまいます。
だから同じ場所には植えないのが基本ルールなんですが、家庭菜園だとスペースが限られていて、なかなか場所をローテーションできないこともありますよね。
そんな時に大活躍してくれるのが、コンパニオンプランツ(共栄作物)という植物同士の助け合いの力です。お互いに良い影響を与え合う植物を一緒に植えるテクニックですね。
地這いキュウリの育て方において、最強のパートナーとなるのが長ネギ(またはニラなどのネギの仲間)なんです。
キュウリを枯らしてしまうつる割れ病の原因は、土の中にいるフザリウム菌というカビの一種です。実は、長ネギの根っこにはバークホルデリア・グラジオリーという良いバクテリアが一緒に住んでいて、このバクテリアが出す成分が、悪いフザリウム菌が増えるのを強力に抑え込んでくれるんですよ。
このすごい効果を最大限に引き出すための、ちょっとした秘密のルールがあります。それは、キュウリの根っこと長ネギの根っこが、直接絡み合うように同じ穴に植えることです。
キュウリの苗1つに対して、長ネギを2本くらい用意して、植え穴の底の方で根っこ同士がピタッとくっつくように並べて植え付けます。キュウリも長ネギも浅いところに根を張る植物なので、生活圏がぴったり重なるんです。お互いの根っこから出る酸や老廃物を分解して利用し合うので、栄養を吸い上げる効率もアップして一石二鳥なんですよ。
ポイント
無農薬や減農薬で安全なキュウリを育てたい方には、絶対に知っておいてほしいテクニックかなと思います。

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収穫量をアップさせる地這いキュウリの育て方と管理のコツとは?

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土作りや種まきが無事に終わって、可愛い芽が出たり苗が定植できたりするとホッと一息つきたいところですが、実はここからが地這いキュウリ栽培の本当の腕の見せ所なんです。
支柱がないからこそ、地面の環境をどう整えてあげるか、そして自由に伸びようとするツルをどのようにコントロールするかが、秋まで長くたくさん収穫できるかどうかの分かれ道になります。
ただ放っておくと、葉っぱばかりが茂って実がつかなかったり、泥はねから病気になってしまったりと、残念な結果になってしまうことも。
この章では、植え付け後の泥はね対策から、少し難しそうに感じる摘心の具体的なやり方、そしてキュウリからのサインを読み取って行う水やりや追肥のコツなど、毎日の管理で絶対に外せないポイントを順を追って丁寧にお伝えしていきますね。
ちょっとした手間で、驚くほど収穫量が変わってきますよ。
苗の定植と泥跳ねを防ぐマルチングの重要性
苗を畑に植え付ける定植の作業は、キュウリが新しい環境に馴染めるかどうかを決める大事なイベントです。
もし、連作障害の病気が心配な畑に植える場合は、種からそのまま育てた自根苗ではなく、病気に強いカボチャの根っこにキュウリの茎を繋ぎ合わせた接ぎ木苗を買ってくるのが安心かなと思います。(カボチャの強い根っこを借りることで、土の中の病気を避けつつ、寒さにも強く肥料を吸う力もアップするんですよ。)
定植の時に一番気をつけてほしいのが、浅植えにするということです。
苗の土の塊(根鉢)の表面が、畑の畝の高さと同じか、むしろ5ミリくらい少しだけ飛び出しているくらい浅く植えるのが鉄則です。
なぜ浅植えが良いのかというと、理由は2つあります。
1つ目は、前にもお話しした通りキュウリの根っこは酸素が大好きだから、深く埋めすぎると息苦しくなってしまうため。2つ目は、接ぎ木苗の場合、繋ぎ目の部分が土に埋まってしまうと、そこからキュウリ自身の根っこが生えてきてしまい、カボチャの根っこを借りている意味がなくなって病原菌に感染しやすくなるのを防ぐためです。
植え付ける時は、ポットごとバケツの水に沈めて空気がブクブク出なくなるまでしっかり水を吸わせてから植え穴に入れます。植え穴にもたっぷり水を入れて、水が引いてから苗を置き、周りの土を寄せて密着させます。
ここでのポイントは、植え付けた後、しっかり根付くまでの間は、あえて水やりを少し我慢することなんです。少し喉が渇いた状態(軽い水分ストレス)にすることで、植物の生きなきゃ!という本能が刺激されて、土の奥深くにある水分を求めて力強く根っこを伸ばしてくれるんですよ。
泥跳ねを防ぐマルチングと敷きワラ
無事に植え付けが終わったら、次は地面のケアです。地這い栽培において、地面を何かで覆うマルチングは、単なる草よけではありません。果実が腐るのを防ぎ、病気を予防するための生命線とも言える重要な作業なんです。
キュウリがかかりやすいべと病や炭疽病(たんそびょう)といった厄介な病気の多くは、雨が降った時に地面の泥が跳ね返って、葉っぱの裏側や茎、実に病原菌がくっつくことで感染します。
だから、遅くとも梅雨入り前、あるいは梅雨明けして気温がグンと上がる時期には、株元からツルが伸びていく方向全体にかけて敷きワラなどで地面を覆うことが絶対に必要になります。
| マルチング資材の種類と特徴 | |
|---|---|
| 麦わら・稲わら | 昔ながらの最高の資材です。ストローのような中空構造が空気の層を作って断熱材になり、雨粒の衝撃を和らげて泥跳ねを防ぎます。キュウリの巻きひげが絡みやすくて、強風の時に株を固定するアンカーの役割もしてくれます。 |
| 黒ポリマルチ | 春先の地温を上げたり草を抑えるのには便利ですが、真夏は表面が熱くなりすぎてツルが焼けたり実が煮えたりする危険があるので注意が必要です。 |
| シルバーマルチ | 光を乱反射するので、虫(ウリハムシなど)の目を眩ませて寄せ付けない防虫効果も期待できます。 |
| ワラサラバーなど(代替品) | 天然のワラが手に入らない時は、ポリエチレン製のネットでも代用できます。腐らないので長く使えます。 |
自然素材のワラやトウモロコシの茎などを敷いておけば、最後は土に還って土を良くしてくれるので、環境にも優しくておすすめですよ。
摘心と整枝でたくさん実をつける方法は?

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地這いキュウリの育て方の中で、一番プロっぽくて、でも一番収穫量に直結する大事なお世話が摘心(てきしん)と整枝(せいし)です。
ちょっと難しそうな言葉ですが、要するに伸びていくツルの先端をチョキンと切って、新しい脇芽を出させるコントロール術のことです。
植物には頂芽優勢(ちょうがゆうせい)といって、一番先のてっぺんの芽が優先的に伸びて、他の脇芽の成長を抑え込むというホルモンの働きがあります。これを人間の手で解除してあげるんですね。
実は、地這い栽培に向いている品種(霜知らず地這など)の多くは、一番太いメインの茎(親づる)には、実になる雌花(めばな)がほとんどつきません。その代わり、親づるから枝分かれして生えてくる子づるや、さらにそこから分かれる孫づるにたくさんの雌花をつけるという性質(飛び節成り性)を持っています。
だから、親づるをただ長く伸ばしっぱなしにしていると、葉っぱや茎ばかりが元気に茂って(これをつるぼけと言います)、肝心のキュウリの実が全然採れない…という悲しいことになってしまうんです。
具体的な摘心のステップ
では、どうやって切っていけばいいのか、順を追って説明しますね。
ステップ1:親づるの摘心
本葉(最初に出る双葉の後のギザギザした葉っぱ)が5〜8枚(品種にもよりますがだいたい6〜7枚くらい)開いたタイミングで、親づるの一番先端の成長している部分をハサミか指でポキっと摘み取ります。これが合図になって、各節の脇から勢いよく子づるが一斉に伸び始めます。
ステップ2:初期の脇芽のお掃除
株の根元付近(下から1〜5節目くらいまで)から生えてきた弱々しい子づるや、早すぎる段階で咲いた雌花は、かわいそうですが全部摘み取ってしまいます。これは、地面に近い風通しを良くして泥跳ねによる病気を防ぐためと、株の体力をしっかり温存させるためです。
ステップ3:子づるを伸ばす
親づるの中間あたりから元気に生えてきた子づるを3〜4本(多くても5本くらい)選び、重ならないように四方八方へ放射状に地面に這わせていきます。
ステップ4:子づる・孫づるの摘心
伸ばした子づるも放ったらかしではありません。長さが2m〜2.5mくらい(葉っぱが15〜20枚くらい)になったら、また先端を摘心します。そうすると今度は孫づるが出てきます。そこに実をつけさせて、実がなった先の葉っぱを1〜2枚残して、孫づるの先端もチョキンと切っていきます。

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メモ
水やりと追肥のタイミングを見極めるサインは?
キュウリの実は、なんと約95%が水分でできています。お花が咲いてからほんの数日で、見違えるようにグングン大きくなるんですよね。
だからこそ、一番収穫が忙しい時期に水が足りない!とか肥料(ご飯)が足りない!という状態になると、すぐにキュウリの実や葉っぱにSOSのサイン(生理障害)として現れてしまいます。
水やりの基本ルール
根っこが浅いキュウリは乾燥にとても弱いんですが、水浸しの状態が続くと酸欠になって数時間で根腐れを起こしてしまうという、お世話のしがいがある植物です。
水やりの基本は、土の表面が完全にカラカラに乾ききってしまう前に、朝か夕方の涼しい時間帯にたっぷりとあげることです。上からジャージャーかけるのではなく、株の周りの通路に水を流し込むようなイメージであげると良いですよ。
真昼のカンカン照りの時に冷たいお水をあげたり、夜遅くにお水をあげて夜中ずっとジメジメさせてしまうと、根っこがびっくりして弱ったり、間延び(徒長)して病原菌が増えやすくなるので絶対に避けてくださいね。
追肥(追加の肥料)のやり方
次から次へと実をつける時期、キュウリはものすごい勢いで栄養(窒素・リン酸・カリウム)を消費します。肥料食いと言われるくらい大食漢なんですよ。
元気をキープするためには、収穫が始まってから2週間に1回くらい(または10〜15日おきに)、1平方メートルあたり約30gの化成肥料、あるいは1株あたり20gくらいを、株の周りにパラパラとまいてあげ続けてください。
キュウリからのSOSサインの見つけ方
水や肥料が足りなくなってくると、キュウリは目に見える形で教えてくれます。このサインを見逃さないことが、長く収穫を楽しむためのマスターキーかなと思います。
| キュウリからのサイン(異常) | 原因と植物の気持ち |
|---|---|
| ツルの先端(生長点)に元気がなく、下を向いている | 健康なら太くて上を向いていますが、細くなって力なく垂れ下がっている時は、肥料や水分が足りていません。「もうこれ以上伸びられないよ〜」というサインです。 |
| 下のほうの古い葉っぱが黄色く枯れてくる | 土の中に栄養(窒素)がなくなると、株は生き残るために古い葉っぱの栄養を分解して、先端や実に無理やり送り込みます。お腹が空いている証拠ですね。 |
| 曲がり果(ぐにゃっと曲がったキュウリ) | 肥料不足、日照不足、乾燥、または株がバテている(成り疲れ)時に出ます。実を大きくするためのエネルギーが絶対的に足りていません。 |
| 尻細り果(先端が細い、鉛筆みたいなキュウリ) | 別名腹減り果です。実の先っぽまで栄養を届ける体力が残っていない深刻なサイン。肥料切れか、水が多すぎて根っこが傷んでいる可能性があります。 |
| くくれ果(真ん中がひょうたんのように細くなる) | 暑くて乾燥した後に急に水や肥料をもらったりと、環境が急激に変わったショック(急ブレーキと急アクセル)で細胞が傷ついて起こります。 |
もしこういった変な形のキュウリ(奇形果)を見つけたら、もったいないな…と思っても、小さいうちにすぐにハサミで切り取ってください。悪い実をつけたままだと、株の体力がどんどん奪われてしまいます。
切った後は、すぐに効く液体肥料をあげたりして、急いで体力を回復させてあげましょう。
逆に、葉っぱの色が黒っぽいほど濃い緑色になって、波打つようにボコボコし、太いツルばかりが伸びて花が落ちてしまう時は、肥料のあげすぎ(メタボ状態)です。その場合はしばらく肥料をお休みして様子を見てくださいね。
ウリハムシやうどんこ病などの害虫と病気対策

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なるべく農薬を使わずに、安全なキュウリを育てたいと思う方は多いですよね。
そのためには、敵である虫の習性や、病原菌がどうやってうつるのかを知って、先回りして防御する工夫が欠かせません。
最大の敵「ウリハムシ」から幼苗を守る
キュウリ栽培の最初にして最大の試練が、ウリハムシという害虫との戦いです。
体長8ミリくらいのオレンジ色っぽい小さな甲虫なんですが、キュウリの匂い(ククルビタシンという成分)が大好きで、どこからともなく飛んできます(出典:京都府農林水産技術センター『ウリハムシ』)。
葉っぱを丸くかじってボロボロにしてしまうんですが、まだ小さな苗の時期にやられると、光合成ができなくなって枯れてしまいます。さらに怖いのが、親虫が根元の土の中に卵を産んで、生まれた幼虫が土の中で根っこを食べてしまうこと。ある日突然、株全体がしおれて死んでしまう原因になります。
農薬を使わない防衛策としては、以下のような方法が有効かなと思います。
- 物理的にガードする: 植え付け直後に、肥料の空き袋の底を抜いて筒状にしたもので苗を囲う(あんどん仕立て)などして、本葉が4〜5枚になって丈夫になるまで親虫をブロックします。
- 光で目を回させる: シルバーマルチを敷いたり、キラキラ光る防鳥テープを張ったりします。ウリハムシは光の乱反射を嫌うので、寄り付きにくくなります。
- 匂いでごまかす: 一緒に長ネギやマリーゴールドを植えます。彼らが嫌がる匂いで、キュウリの匂いを隠して(マスキングして)しまう作戦です。

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朝早くの涼しい時間はウリハムシも寝ぼけて動きが鈍いので、下にお皿を置いて葉っぱを揺らし、驚いて下にポロッと落ちる習性を利用して捕まえるのも地道ですが効果的ですよ。
うどんこ病やべと病(糸状菌)への対策
土からくる病気は接ぎ木苗やネギとの混植でガードできますが、空気中をフワフワ飛んでくる病気(つる枯れ病、べと病、うどんこ病など)には別の対策が必要です。
これらの病原菌(カビの仲間)は、葉っぱに水滴が長時間ついたままだと、葉っぱの呼吸する穴(気孔)から侵入しやすくなります。
だから、泥跳ねを防ぐ敷きワラをしっかり敷くのはもちろんですが、一番の予防薬は風通しを良くしてあげることなんです。
こまめに摘心や整枝をして葉っぱが重なりすぎないようにしたり、古くなって黄色くなった下のほうの葉っぱをこまめに切り取って(摘葉)、株元に太陽の光と風がスッと通るようにしてあげてください。清潔な環境を保つことが、病気を防ぐ一番の近道ですよ。
注意ポイント
地這いキュウリの育て方についての総括

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ここまで、地這いキュウリの育て方について、土作りの準備から日々の管理、そしてちょっと専門的な植物の仕組みまで、たっぷりとお話ししてきました。いかがだったでしょうか。
地這い栽培は、ただ種をまいて地面に這わせて放置するような、手抜きの手法ではありませんでしたね。
植物の持つ力、土の中の微生物の働き、そしてお天気の変化などをうまく利用する、とっても奥深くて論理的な育て方なんです。
支柱を立てないことで台風や強風にビクともしない強さを手に入れ、地面の温かさを利用して秋遅くまで長く収穫を楽しめるのは、地這いならではの素晴らしい魅力かなと思います。
そのポテンシャルを120%引き出すための極意を、最後にもう一度おさらいしておきましょう。
- 根っこの呼吸を助ける: 高畝を作り、浅く植え付けて、酸素が大好きな根っこが喜ぶふかふかのベッドを用意すること。
- 自然の力で守る: ネギと一緒に植えたり、敷きワラで地面を覆うことで、泥跳ねや病原菌、害虫を寄せ付けない環境を作ること。
- 成長をコントロールする: こまめな摘心と整枝で、葉っぱだけでなくしっかりと実の方へ栄養を向かわせてあげること。
- 言葉なきサインを読む: 実の形が変になったり、葉っぱの色が変わったりする小さなサインから、水や肥料のタイミングを逃さずケアしてあげること。
最初は少し覚えることが多いように感じるかもしれませんが、毎日少しずつキュウリの様子を観察していると、あ、今お水が欲しいんだなとか、ちょっと葉っぱが混み合って苦しそうだなということが、自然と分かるようになってきますよ。
少し不格好で曲がっていても、自分で土から育てて、もぎたてをそのままかじるキュウリの美味しさは、スーパーで買うものとは比べ物にならないくらい格別です。
ぜひこの記事を参考にしながら、あなたの畑やベランダで、元気いっぱいの地這いキュウリの育て方にチャレンジしてみてくださいね。たくさんの美味しいキュウリが収穫できることを、心から応援しています!