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枝豆の肥料はいらない?プランター栽培のコツと失敗しない土づくり

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こんにちは。園芸の教科書運営者のめぐみです。家庭菜園やベランダで人気の夏野菜といえば、やっぱりビールのお供に最高な枝豆ですよね。

でも、いざ育てようと思って調べてみると、枝豆に肥料はいらないという情報や、最初の土づくりはどうすればいいのか、プランターで育てる時の追肥のおすすめは何かなど、いろいろな情報があって迷ってしまいませんか?

私も最初は、痩せた土のほうが育つなんて本当かなと不思議に思っていました。実はこれ、枝豆をはじめとするマメ科植物ならではの特別な性質が関係しているんです。良かれと思って肥料をたくさんあげると、葉っぱばかりが茂って実入りが悪くなるという残念な結果になることも少なくありません。

この記事では、なぜ肥料が不要と言われるのかという根本的な仕組みから、プランター栽培でも失敗を防いで美味しい豆をどっさり収穫するための具体的なコツまで、一緒にわかりやすく紐解いていきましょう。

この記事のポイント

  • 枝豆に肥料がいらないと言われる本当の理由と根粒菌の働き
  • プランター栽培での水やり頻度と失敗しないためのコツ
  • 米ぬかや鶏糞を使った土づくりの注意点とおすすめの肥料
  • 実入りが悪い時の対策や収量を増やす摘芯と断根の裏ワザ

枝豆の肥料はいらないって本当?基礎知識と土づくり

枝豆の肥料はいらないって本当?基礎知識と土づくり

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枝豆を育てるとき、肥料はいらない、痩せた土地の方がかえってよく育つ、という話を聞いたことはありませんか?私も最初は、本当に何もあげなくて大丈夫なのかな、ひょろひょろに育ってしまわないかなと不思議に思っていました。でも実は、これには植物の不思議な力が深く関係しているんです。

枝豆をはじめとするマメ科の植物は、なんと自分自身で必要な栄養を空気中から取り込んで作り出す、とても特別な能力を持っています。そのため、一般的な夏野菜のようにたくさんの肥料を必要としないんですね。

とはいえ、まったく何もしなくて良い、土は何でも良いというわけではなく、植物が快適に働きやすい土壌環境をきちんと整えてあげることはとても大切です。ここでは、枝豆がどうやって自ら栄養を確保しているのか、そしてもし肥料を与えるならどんな種類が良いのか、栽培の基本となる土づくりについて一緒に見ていきましょうね。

枝豆の土づくりと根粒菌の関係

枝豆が一般的な野菜のようにたくさんの肥料を必要としない最大の理由は、土の中に住んでいる根粒菌(こんりゅうきん)という素晴らしいパートナーの存在にあります。

枝豆を育てた後に根っこを土から抜いてみると、根の表面に小さな丸いツブツブがポコポコとたくさんくっついているのを見たことはありませんか?初めて見ると虫の卵かな?何か病気になってしまったのかもと驚いてしまうかもしれませんが、安心してください。これこそがまさに、根粒菌たちの住処である根粒なんです。

植物が大きく育つためには、三大栄養素の一つである窒素(ちっそ)が絶対に欠かせません。

普通の野菜は、土の中に溶け込んでいる窒素成分を根から吸い上げますが、枝豆をはじめとするマメ科の植物は全く違うアプローチをとります。種から根が伸びる時、枝豆は土の中に特別なシグナルを分泌し、周りにいる根粒菌を自分の方へ呼び寄せ、根の中に住まわせるんです。

実は私たちが吸っている空気の約8割は窒素ガスなのですが、植物はそのままの形では利用できません。そこで根粒菌の出番です。

根粒菌は、空気中にある窒素をせっせと取り込み、植物が使いやすいアンモニア態窒素という形に作り変えて枝豆にプレゼントしてくれます。そして枝豆はそのお礼として、自分が光合成で作った甘いエネルギーを根粒菌に分けてあげるんです。お互いが助け合って生きる、本当に素晴らしい自然の仕組みですよね。

根粒菌が根について自ら栄養を作る枝豆のイラストとつるぼけの注意喚起

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ポイント

この根粒菌の働きは非常に強力で、枝豆は一般的な化学肥料に匹敵する、あるいはそれ以上の量の窒素を自給自足で調達できてしまいます。そのため、事前の土づくりで過剰な窒素肥料を入れる必要がないんです。

このマメ科特有の性質は昔から農業の現場でも活かされており、(出典:農林水産省『豆のこと、もっと知りたい。』)にも記載されている通り、マメ科植物と根粒菌が共生する働きによって、土壌そのものの地力を維持・向上させる効果が認められています。

根粒菌がフルパワーで働くための土壌環境

ただし、根粒菌がいるから土は何でもいいというわけにはいきません。彼らが元気に働くためには、居心地の良い環境を私たちが整えてあげる必要があるかなと思います。

まず一番大切なのは、土の酸度(pH)の調整です。根粒菌は酸性の強い土を非常に嫌い、土が酸性に傾いていると働きが極端に落ちてしまいます。日本の土は雨の影響で自然と酸性になりやすいので、種まきや植え付けの2週間前には必ず苦土石灰などをまいて、pH6.0〜7.5くらいの微酸性から中性の土に戻してあげることが大切です。

もう一つのポイントは、通気性と水はけの良さです。

根粒菌も生き物なので、土の中で呼吸をしています。水はけが悪く、いつもジメジメと湿っているような土では酸欠を起こしてしまい、うまく窒素を作れなくなってしまいます。家庭菜園で土づくりを行う際は、腐葉土などの有機物をしっかり混ぜ込んで、ふかふかで空気の層がたくさんある団粒構造(だんりゅうこうぞう)の土を目指してみてくださいね。  

プランターの抜群の水はけと赤玉土を活用した土の構造を示す図解

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元肥に鶏糞は使うべき?

家庭菜園でよく使われる有機肥料といえば鶏糞(けいふん)ですよね。ホームセンターなどでお値段がとても手頃に買えるうえに、栄養価も高いため、普段から重宝している方も多いのではないでしょうか。しかし、枝豆の元肥として鶏糞を使う場合は、実は少し注意が必要かなと思います。

(出典:農林水産省『堆肥の肥料効果について』)のデータなどでも示されている通り、鶏糞は牛糞や豚糞などの他の動物性堆肥に比べて、植物を育てる三大栄養素や石灰の含有率が高く、しかも土の中で分解されるスピードが速いため、速効性の化学肥料に近い強めの働きをします。

普通の葉物野菜や実のなる野菜であれば、大喜びでぐんぐん育つ素晴らしい肥料なのですが、枝豆にとってはこれが少し厄介なんです。

前の見出しでお話しした通り、枝豆は根粒菌の力で自分で窒素を調達できるため、そこに鶏糞からたっぷりの窒素が一気に流れ込んでくると、簡単に窒素の過剰摂取(メタボ状態)を引き起こす原因になってしまいます。

前作の肥料残りと根を傷めるリスク

特に、前にトマトやナス、トウモロコシなど、肥料をたくさん食べる野菜を育てていた畑の場合、土の中には目に見えなくても、まだ肥料の成分がたっぷり残っていることが多いです。そこに栄養をつけてあげようとさらに鶏糞をすき込んでしまうと完全に栄養過多になり、後で解説する深刻なトラブルを招いてしまいます。

注意ポイント

完全に発酵していない乾燥鶏糞などを直前に土に混ぜると、土の中で急激に発酵が進んで有毒なガスや熱が発生し、枝豆のデリケートな若い根っこを傷めて枯らしてしまうリスクもあります。

基本的には枝豆の元肥に鶏糞はあまりおすすめしませんが、もし新しく開墾したばかりなどで土が極端に痩せていて、どうしても少しだけ元肥を入れたいという場合は、必ずしっかりと発酵が終わっている完熟発酵鶏糞を選びましょう。

そして、全体にたっぷり混ぜるのではなく、ほんの一握りをごく少量だけパラパラとまく程度にとどめるのが、失敗を防ぐ無難な選択ですね。

油かすなど窒素肥料の注意点は?

油かすなど窒素肥料の注意点は?

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家庭菜園でできるだけ自然な有機肥料で育てたいという方に根強い人気があるのが、ナタネや大豆などから油を搾った後にできる油かすです。

ゆっくりと穏やかに効いて土の微生物も増やしてくれる素晴らしい肥料なのですが、成分の大部分が窒素であるという際立った特徴を持っています。そのため、枝豆の栽培において油かすをメインの肥料としてたっぷり使うのは、あまりおすすめできません。

枝豆は種をまいてから収穫までの期間が比較的短いお野菜です。

油かすなどの有機肥料は、土の中で微生物に分解されてからじわじわと植物に吸収されるため、効き始めるまでに時間がかかります。すると、枝豆が花を咲かせて実を太らせたい大切な時期に、タイミング悪く油かすの窒素成分が効き始めてしまうことが多く、これが大きなトラブルの引き金になるんです。

注意ポイント

枝豆に油かすなどの窒素肥料をたっぷりと与えてしまうと、つるぼけ(蔓化)という恐ろしい生理現象が起きてしまいます。

つるぼけの仕組みと見分け方

植物の成長には、葉や茎を大きくして体を形作る栄養成長と、花を咲かせて種を残す生殖成長の2つのステージがあります。土の中に窒素が余っていると、枝豆は今はまだ葉っぱや茎を大きく育てる時期なんだと完全に勘違いしてしまい、いつまで経っても実をつける準備に切り替わらなくなってしまいます。これがつるぼけの正体です。

つるぼけになってしまった株には、いくつか分かりやすい特徴が現れます。

  • 葉っぱが手のひらよりも異常に大きく育っている
  • 葉の色が、普通の緑色を通り越してどす黒いほど濃い緑色になっている
  • 茎の節と節の間がひょろひょろと長く間延びしている
  • 背丈ばかりがどんどん伸びて、自分の腰の高さくらいになっている

一見するとすごく元気に大きく育っていると喜んでしまいがちなので、本当にタチが悪いですよね…。

しかし、葉っぱや茎を作ることだけに全てのエネルギーを使ってしまっているため、肝心の花が咲かずにポロポロと落ちてしまったり、運よくさやができても中身の豆がちっとも太らなかったりします。結果的に、あんなに立派な株だったのに収穫量がゼロに近いという悲しい事態になってしまうんです。

一度つるぼけモードに入ってしまった株から後から窒素を抜くことは至難の業です。そのため、枝豆栽培を成功させるには、足りないからいかに肥料を足すかという足し算の考え方ではなく、いかに窒素を控えめにするかという引き算の判断が最大のキーポイントになるかなと思います。

米ぬかを活用した自然な栽培とは?

化学肥料に一切頼らず、もっと自然な力で安全で美味しい枝豆を育てたいという方に、私がぜひおすすめしたいのが、米ぬかと腐葉土を戦略的に活用した土づくりです。

枝豆に肥料はいらないという究極の栽培を実現するためには、土の中の生態系を豊かにして、根粒菌をはじめとする微生物たちにしっかりと働いてもらうことが一番の近道になります。その微生物たちを元気にする最強の起爆剤となるのが、お米を精米する時に出る米ぬかなんです。

米ぬかの力とガス湧きの注意点

米ぬかには、炭素やわずかな窒素、ミネラル、ビタミン類がたっぷりと含まれており、土の中にいる放線菌や糸状菌、そして枝豆の最大の味方である根粒菌を爆発的に増やすための極上のエサとして機能します。

ただし、一つだけ気をつけてほしいのが、米ぬか単体を大量に土へすき込むのはNGだということです。土の中で急激に発酵が進むと、土の中の酸素がごっそり奪われてしまうだけでなく、高温の発酵熱や有害なガスが発生して、枝豆のデリケートな若い根っこを強烈に傷めてしまう危険性があるんです。

腐葉土とのセット使いが成功の秘訣

そこで、急激な発酵の副作用を抑えつつ、最大の相乗効果を生み出すために、すでに発酵が終わっている腐葉土を必ず一緒に混ぜ込むのが成功のコツになります。

腐葉土は土の中に小さな隙間をたくさん作り、新鮮な空気を土の奥深くまで送り込んでくれます。このたっぷりの酸素と、米ぬかという極上のエサが合わさることで、悪い菌による腐敗を防ぎながら、枝豆にとって良い微生物だけがどんどん増殖していく好気性発酵(こうきせいはっこう)という素晴らしいプロセスがスタートするんです。

ポイント

微生物が活発に働くことで土がふかふかの団粒構造になるだけでなく、微生物が出す代謝物によって、土の中に眠っていた植物が吸えない難溶性のリン酸が吸いやすいリン酸に変化するという、枝豆の実入りに直結する素晴らしい化学変化も起きます。

マルチングで微生物の働きを加速させる

さらに、米ぬかと腐葉土を土に混ぜ込んだ後、畝の表面を黒いビニールシートなどで覆ってあげるのがおすすめです。太陽の光を吸収して地温がグッと上がることで、微生物の代謝と増殖スピードが一気に加速し、短期間で極上のふかふか土壌が完成します。

初年度にこの微生物たっぷりの土壌をしっかり作ってしまえば、土そのものが巨大な栄養のバンクとして機能し始めます。結果的に根粒菌も元気に定着しやすくなり、2年目以降は少し腐葉土を足してあげる程度で、半永久的に外部からの肥料なしでも驚くほど立派で美味しい枝豆が育つサイクルを維持できるようになりますよ。

枝豆の肥料でおすすめの種類は?

枝豆の肥料でおすすめの種類は?

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窒素はあまりいらない、つるぼけが怖いと分かったけれど、じゃあ具体的にどんな肥料を選べばいいの?とホームセンターの園芸コーナーで迷ってしまいますよね。

枝豆が自分で作れるのは窒素だけなので、花を咲かせたり実をパンパンに太らせたりするためのリン酸(P)と、強い風でも倒れないよう根っこや茎を丈夫にするカリウム(K)は、私たちが外からしっかりと補給してあげる必要があるんです。

そこでおすすめなのが、リン酸とカリウムの割合が多く、窒素がグッと控えめに配合されている肥料です。三大栄養素の役割を整理すると以下のようになります。

栄養素(記号) 枝豆にとっての重要な役割 枝豆用肥料選びのポイント
窒素(N) 葉や茎の骨格を作り、葉の緑色を濃くする 根粒菌が自ら作るため極力控える
リン酸(P) 花芽を作り、開花を促す。実を充実させて甘みを増す 多めの肥料を選ぶ。収穫量と美味しさに直結します
カリウム(K) 茎を太くし、倒れるのを防ぐ。根の張りを良くする 適量がしっかり含まれているものを選ぶ

市販肥料は山型の配合比率を選ぶのがコツ

市販の肥料を選ぶときは、パッケージの裏や表に書かれている数字の並びに注目してみてください。これは左から順に窒素、リン酸、カリウムの配合割合を示しています。

枝豆用の肥料を探す時は、一番左の数字が小さく、真ん中と右の数字が大きいものを選ぶのが鉄則です。

グラフにした時に真ん中が高くなる山型や、右肩上がりの配合になっている肥料がベストかなと思います。いろいろあって選ぶのが難しいという場合は、最初から配合が調整されている豆類専用肥料などを選ぶのが一番簡単で失敗がありませんよ。

リン酸の働きを最大限に引き出す与え方の工夫

そしてもう一つ、肥料の与え方にもちょっとしたコツがあります。実はリン酸という成分は、土の中に留まりやすく、水に溶けて下へ移動しにくいという少し厄介な性質を持っています。根っこが直接リン酸に触れないと、うまく吸収してくれないんです。

ポイント

そのため、リン酸を多く含む元肥をまくときは、ただ土の表面にパラパラと撒いておくのではなく、根が伸びていく深さの土全体にしっかりと混ぜ合わせることがとても重要になります。

元肥として土に混ぜる時は、効果がじわじわとゆっくり長く続く緩効性肥料を使うと、発芽したばかりのデリケートな若い根っこを肥料焼けから守りながら、優しく育ててくれます。

リン酸をしっかりと吸わせてあげることで、花がたくさん咲き、中身がぎっしり詰まった美味しい枝豆がたくさん収穫できるようになりますよ。

枝豆の肥料はいらない説の落とし穴!よくある失敗と対策

枝豆の肥料はいらない説の落とし穴!よくある失敗と対策

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枝豆は肥料がいらないなら、放置しておけば勝手に育つから簡単かもと思って育ててみたものの、なぜか葉っぱばかりが青々と茂って肝心の実がつかなかったり、途中で黄色くなって枯れてしまったりなんて悲しい経験はありませんか?

実は、枝豆栽培におけるトラブルの多くは、良かれと思って与えた手厚いお世話が裏目に出ていることが多いんです。

また、広い畑での地植えと違って、ベランダなどの限られたスペースでのプランター栽培の場合は、土の量に限界があるため、水やりのタイミングや養分の流れ方が大きく変わり、畑とは違ったちょっとしたコツが必要になってきます。

お水は今のままで足りているかな、実入りを良くするにはどうしたらいいんだろうといった疑問や不安をスッキリ解消するために、ここではよくある栽培失敗の原因とその対策について、一つずつ丁寧に解説していきますね。

肥料過多による栽培失敗の原因とは?

肥料の与えすぎは栽培失敗の元であり、枝豆にたっぷりの肥料は必要ないことを伝えるスライド

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枝豆栽培で最も多い失敗は、虫の被害を除けば、やはり肥料(特に窒素成分)の与えすぎに尽きるかなと思います。

私たちが野菜を育てる時、たくさん愛情をかけてたくさん栄養をあげれば、それだけ大きく美味しい実をつけてくれるはずとつい期待してしまいますよね。しかし、根粒菌という心強いパートナーのおかげで自ら窒素を作り出せる枝豆にとって、その過剰な愛情は時として大きなありがた迷惑になってしまうんです。

つるぼけだけじゃない!肥料過多が招く連鎖的なトラブル

前の見出しで、窒素を与えすぎると葉っぱや茎ばかりが異常に伸びて肝心の実がつかないつるぼけになるお話をしました。実は、肥料過多による栽培失敗の恐ろしさはそれだけではありません。

土の中に窒素が溢れていると、植物の細胞が急激に作られるため、細胞の壁が薄くヒョロヒョロとした徒長(とちょう)という状態に育ってしまいます。一見すると背が高くて立派に見えるのですが、実は組織がスカスカでとても軟弱なんです。

そのため、夏特有の強い風が吹いたり、激しい夕立に打たれたりすると、自分の葉の重さに耐えきれずに根元からパタッと倒れてしまうリスクが非常に高くなります。一度株が倒れてしまうと、うまく太陽の光を浴びて光合成ができなくなり、実入りがさらに悪化するという悪循環に陥ってしまいます。

注意ポイント

さらに怖いのが、窒素過多で育った柔らかく色の濃い葉っぱは、害虫にとって最高のごちそうになってしまうことです。

窒素をたっぷり吸ってアミノ酸を豊富に含んだ枝豆の葉には、アブラムシや、せっかくできた豆の汁を吸ってさやをペラペラにしてしまうカメムシなどが猛烈な勢いで集まってきます。良かれと思って与えた肥料が、結果的に病害虫を呼び寄せる原因になってしまうのはとても悲しいですよね。

枝豆栽培は肥料を与えない勇気が試される

もし植物の様子を見ていて肥料が足りないなと感じた場合は、後から液体肥料などを与えることでいくらでもリカバリーができます。しかし、一度土に混ぜ込んでしまった肥料を、後から土の中から綺麗に抜き取ることは誰にもできません。

だからこそ、枝豆栽培においては最初の土づくりの段階で、肥料をあげたい気持ちをぐっと我慢することが最大の対策になります。

もし地植えなどで前作の肥料残りが少しでも疑われる場合は、思い切って元肥はゼロでスタートする勇気を持ってくださいね。種をまいて発芽し、本葉が3〜4枚ほど開いた頃に、葉の色が極端に薄い黄色になっていないか、茎が細すぎないかをじっくり観察し、そこで初めて本当に栄養が足りていないのかを判断する。

この徹底した引き算の栽培を心がけることが、失敗を防ぐ一番の近道かなと思います。

プランター栽培の水やり頻度は?

畑での地植えと、プランター栽培で決定的に違うのが水やり頻度と養分の流れ方です。露地栽培であれば、根っこが地中深くまで伸びて自分で水分を探せますし、土が肥料の成分をしっかり抱え込んでくれます。しかし、プランターは言わば小さな密室です。

プランター栽培の場合、毎日の水やりのたびに、鉢底の穴からお水と一緒に大切な養分がサーッと流れ出ていってしまいます。そのため、枝豆は肥料がいらないというルールをプランター栽培にそのまま当てはめて完全無肥料にすると、途中で深刻な栄養失調になってしまうんです。

プランターで水やりをする際の頻度としては、土の表面が完全に乾いたら、鉢底の穴から水が勢いよく流れ出るまでたっぷりとが基本です。

水やりのコツについては、他の野菜でも共通する部分が多いので、ぜひオクラの水やり頻度と量は?プランター・地植えの失敗しないコツの記事も参考にしてみてくださいね。

そして、養分が流れ出してしまう分を補うために、プランター栽培に限っては、1週間から10日に1回程度、水やりの代わりに薄めた速効性の液体肥料を与えてあげるのが、息切れさせずに最後まで育てるコツになります。

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肥料不足で実入りが悪い時の対策は?

肥料不足で実入りが悪い時の対策は?

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花は無事に咲いて小さなさやはできたのに、いつまで経っても中身がペラペラで、実入りが悪いまま収穫時期を迎えてしまった。これも本当によくあるお悩みですよね。

さやが太らない原因はいくつかありますが、特に下の方の葉っぱが黄色くなってポロポロと落ちてくるようなら、それは完全なる肥料切れ(栄養不足)のサインです。

植物は自分が生きていくために、古い葉の栄養を新しいさやや豆に回そうとして、下の葉から枯らしていくんです。

このサインを見逃さず、葉が薄い黄緑色になってきたり、さやの膨らみが鈍いなと感じたら、迷わず追肥を行ってください。地植えの場合は、株元から少し離れたところに一握りの緩効性肥料をまいて、土を寄せてあげます。プランターの場合は、先ほどもお伝えした通り、液体肥料をサッと与えるのが一番効果的です。

ただし、お水切れで弱った根っこに慌てて強い肥料を与えると、浸透圧のショックで肥料焼けを起こしてしまうこともあるので注意が必要です。肥料焼けの仕組みについては、バジルの水やりで失敗しない!適切な頻度と量で枯らさず育てるコツは?の記事でも詳しく解説していますので、あわせて読んでみてくださいね。

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実入りを良くするリン酸・カリウム主体の追肥

追肥をする際は、ここでもやはり窒素を控えめにするのがポイントです。窒素が多い肥料を与えると、せっかくの生殖成長が止まり、再び葉っぱを茂らせる栄養成長に戻ってしまう恐れがあります。

追肥用には草木灰など、カリウムやリン酸を豊富に含む自然由来の資材を活用するのも良い方法です。リン酸とカリウムをしっかり補うことで、豆がぷっくりと膨らみ、旨味の詰まった美味しい枝豆になりますよ。

収量を増やす摘芯と断根のコツは?

肥料のコントロール以外で、私がこれはすごいと感動した裏ワザ的な栽培テクニックをご紹介します。それが、植物にわざと試練を与える摘芯(てきしん)と断根(だんこん)という方法です。

やり方は少しスパルタなのですが、種から芽が出て双葉が開き、本葉が少し見え始めたばかりの小さな赤ちゃんの時期に行います。

  1. 摘芯:茎の先端にある成長点をハサミでチョキンと切り落とします。
  2. 断根:苗を土からそっと引き抜き、元から生えている太い根っこをバッサリと切り落とします。

根と頭を失った苗を、清潔な土に再び挿し木してあげるとどうなるか。命の危機を感じた枝豆は、早く子孫を残さなきゃと本能を爆発させ、切り口からものすごい数の新しい根っこを四方八方に生やします。さらに、頭を切られたことで、1本だった茎が2本に枝分かれして太く頑丈に育つんです。

ポイント

枝が2倍に増えるということは、単純に花が咲く場所が2倍になり、収穫量もドカンと増えるということです。しかも、実をつけることへと一気にスイッチが入るため、つるぼけを完全に防ぐことができるという最強のメリットがあります。

少し勇気のいる作業ですが、限られたスペースでたくさん収穫したい方には絶対におすすめの手法ですので、ぜひ数株からでもチャレンジしてみてくださいね。

枝豆の肥料はいらないについての総括

パンパンに膨らんだ枝豆の最高の食べ頃と最適な収穫時期を示すイラスト

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ここまで、枝豆栽培における肥料の考え方や、失敗しないためのコツについてお話ししてきましたが、いかがでしたか?

結論として、枝豆の肥料はいらないという噂は半分本当で、半分は環境次第と言えます。根粒菌という心強いパートナーがいるおかげで、窒素肥料をたくさん与える必要はなく、むしろ与えすぎによるつるぼけには最大限の注意を払わなければなりません。

しかし、美味しい豆を充実させるためのリン酸やカリウムは適切に補ってあげる必要がありますし、栄養が流れ出やすいプランター栽培においては、状況を見たこまめな追肥が成功の鍵を握ります。

植物が今、何を求めているのか。葉の色やさやの膨らみをよく観察しながら、時には優しく、時にはスパルタに、環境に合わせた柔軟な対応をとることが一番大切かなと思います。

新鮮な採れたての枝豆を、お湯を沸かしてから畑に採りに行く!

そんな最高の贅沢を味わうために、ぜひ今回の記事を参考にしながら、枝豆栽培を思いっきり楽しんでくださいね。

肥料、水はけ、水やりのポイントをまとめた枝豆栽培で失敗しないための三箇条

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※記事内でご紹介した肥料の量や栽培方法は一般的な目安となります。お住まいの地域の気候や土壌の状態によっても変わってきますので、迷った時はお近くの園芸店の専門家さんに相談してみるのもおすすめですよ。正確な情報は公式サイト等もご確認くださいね。最終的なご判断は、ぜひご自身の栽培環境に合わせて専門家にもご相談ください。

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